南大門をくぐって、正面に見えるのが桃山時代の代表的建築物といわれている金堂(国宝に指定)である。創建時の金堂は文明18年(1486年)に焼失したようで、現存する金堂は豊臣秀頼の発願で、慶長8年(1603年)に完成した建物といわれている。ただ、礎石や基壇、仏壇の位置、大きさ等は創建当時のままという。 金堂内には、本尊の「薬師如来座像」を中心に、向かって右側に「日光菩薩」、左側に「月光菩薩」が安置され、本尊の台座には「十二神将像」が配置されている。これら薬師三尊像は慶長8年(1603年)、仏師康正の作といわれている。 金堂の北側に建っているのが講堂である。講堂は空海によって建てられ、承和2年(835年)に完成したとされているが、文明18年(1486年)に焼失し、現存する講堂は延徳3年(1491年)に創建時の基壇の上に再建されたものであるという。「講堂」は純和風建築様式の建物で、重要文化財に指定されている。 東寺講堂には普通は絵画として表現される「曼荼羅(まんだら)」を、より体感できるよう「立体表現」した世界が広がっています。立体曼荼羅は「羯磨曼荼羅(かつま・まんだら)」とも呼ばれます。講堂の曼荼羅を構成する仏像の多くは乾漆を併用した木彫像。空海(弘法大師)の指導のもと、仁王経曼荼羅を二十一体の仏像を配置することで表現しています。その内訳は、五仏(五智如来)と五菩薩・五明王・四天王に帝釈天と梵天を加えたものとなっています。空海没後4年を経た承和六年(839)6月15日に完成、開眼されました。
金堂:豊臣秀頼再興1603年竣工 金堂内、薬師三尊。 講堂:1491年再興。 講堂内、立体曼荼羅。
堂の東側、境内の東南隅には東寺のシンボル的存在であり、新幹線の車窓からも見ることができる「五重塔」(国宝)が建っている。五重塔は天長3年(826年)に弘法大師が創建に着手し、約50年の長年月を経過した後、慶長年間に完成したと伝えられる。その後、しばしば火災に遭い焼失、再建を繰り返したようで、現存のものは徳川家光の寄進により寛永21年(1644年)に再建したものとされている。塔の高さは約57mで、現存する木造の古塔では日本一高いといわれている。
五重塔は徳川家光が再建。 高さ57m、わが国最大。 1644年竣工。 観智院石庭、五大の庭。
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